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【コロンビア】 わずか100円で楽しめる、メデジンの絶景ケーブルカー「メトロ・カブレ」。

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メデジンでわずか100円で楽しめる絶景ケーブルカーをご紹介します。

2015年 1COP=約0.05円

 

◆はじめに

 

コロンビア第二の都市・メデジン。すり鉢状の地形をした町に、250万人の人々が住んでいる。メデジンと言うと、有名な画家「フェルナンド・ボテロ」が生まれた町でもあり、かの有名な「パブロ・エスコバル」率いる「メデジン・カルテル」が存在したところでもある。

コロンビアの近代史を語る上で外せない存在であるメデジンという町、日本人にはあまり馴染みのない場所かもしれない。ガイドブックにも載っていないし、さほどメディアに露出しない場所だから尚更だ。

 

しかし、メデジンという町は非常に面白い。独自の都市交通システム、商業の地などの都市地理学視点、文化や歴史といった面、そして景観。僕なら間違いなくガイドブックに載せるほど魅力的な場所なのだ。

 

そんなメデジン、今回はわずか100円で楽しめる「絶景」スポットを紹介しよう。

 

◆市民の足となる「メトロ・カブレ」

 

 

丘の上まで伸びるケーブル。住宅街の真ん中を大きなゴンドラが揺らしながら上り下りしている。「メトロ・カブレ」(Metro Cable)と呼ばれるケーブルカーだ。メデジンが誇る都市交通「メトロ」の一部。地元民の足となる存在である。

 

 

すり鉢状のメデジン。中心地は盆地の低い場所にある。丘の上から中心まで行くにはバスで1時間ほど下っていかないといけない。丘の更に奥にある場所なら尚更。道路もさほど広くない上、車社会であったので、道路は混雑。1~2時間ほどかかることもある。

 

 

 

そのため渋滞緩和や市民の便を図るためにケーブルカーが建設された。

ケーブルカーは現在3路線がある。KとJとLだ。

Linea Kが2004年8月7日、Linea Jが2008年3月3日、Linea Lが2010年2月9日である。そして2016年1月現在、HとMの新路線が建設中だ。

 

 

このメトロ・カブレ、さほど治安がよくないエリアを通っている。貧困層の住む場所だ。

 メトロから下を見ると長屋ぽい家やレンガ造りの家などが見えてくる。

 

 

 

このメトロを建設した意図として、利便性の向上や渋滞緩和などが挙げられる。しかしもうひとつ「治安改善」という意味合いもあるのだ。

上から人が見ている、つまりは監視下に置かれるため、人の行動も制限されてくる。これこそがメトロ・カブレの大きな効果となるのだ。

この結果、メトロが通るエリアでの犯罪発生率が低下したそうだ。かつては「治安最悪」とも呼ばれていたメデジンという町、新しい交通手段によって、明るい未来へと歩んでいる。

 

◆絶景スポットへ

 

 

メトロは一律2,000ペソ(約100円)。

高架鉄道からケーブルカーへ乗り換えようが、1駅だけ乗ろうが、値段は同じだ。つまりは改札を出なければずっと100円で移動できてしまう。

このメトロは高架鉄道とケーブルカーは同じホームでつながっているので、改札を出る必要はない。

 

上述にあるように、メデジンのケーブルカーは現在3路線ある。

Linea J: San Javier~La Aurora

Linea K: Acevedo~Santo Domingo Savio

Linea L: S.D.Savio~Arvi

Linea H & M:建設中

路線図:

https://www.metrodemedellin.gov.co/Portals/4/Images/Viajeconnosotros/mapa-esquematico_grande-2.PDF

 

地元の人が普段使うのが、JとKだ。Lは大きな公園へ向かうケーブルカーなので別料金となる。Jの起点「San Javier」はLinea B、Kの起点「Acevedo」はLinea Aとそれぞれ駅が繋がっている。

 

 

僕がメデジンに訪れた際、Linea JとK、それぞれ乗車してみた。

各ケーブルカーで雰囲気というか景色が違うので、2つに分けて紹介していく。

 

◆Linea K

 

メデジンの北、バスターミナルより少し先にいった「Acevedo」という駅からケーブルカーは伸びている。この駅から眺めるケーブルカーの景色はオススメだ。赤茶色の屋根とケーブルカー、このコントラストが美しい。

 

 

ケーブルカーはピストン運行だ。スキー場のゴンドラを思い浮かべてくれると分かりやすい。満員になってから出発というわけではなく、常に動いている。なので満員になることもあれば、一人で移動することもあるというわけだ。

 

 

このケーブルカーこと「メトロ・カブレ」は地元の足となっている。朝は下、夕方は上方面が混雑する。とはいえ、「メトロ」のようにギュウギュウになるのではなく、多少の立ち客もいるぐらい。一応列も成しているので、ストレスになることはないはずだ。

 

 

 

このLinea Kは途中に「Andalucia」と「Popular」の2駅を通過する。

ちょこちょこ人は降りていく。たいていが終点の「Santo Domingo」まで向かう。

メトロ・カブレは止まらない。なのでスキーのゴンドラのように駅ではスピードを緩める、なので慌てずゆっくり下車しよう。勢いがあると転んだりして危ない。

 

 

上りも下りも楽しめる景色だ。真下には赤茶色の家々が建ち並ぶ。夕方で西日が差しこんでいることもあり、赤茶色がより濃く写っている。乗るなら夕方がいいかもしれない。

 

 

 

ここらは貧しいエリアと言われ、治安も悪いと言われている。上から見ているが、さほど悪いとは思わなかった。子どもが単独で遊んでいるのだ、まだいいだろう。とはいえ入り組んだ道が多い。土地勘がない人は迷うだろう。なので安易に訪れることはオススメしない。夜は特に。「メトロ・カブレ」から眺めるだけなら治安に問題はない。

 

 

終点の「Santo Domingo」に近付いてくると、進行方向左手に黒い大きな建物が見えてくる。こちらは「Biblioteca España」。スペイン政府の援助で建てられた公共の図書館だ。入場は無料、市民の誰でも使うことができる。この図書館は画期的だったようだ。教育が満足に受けられない人たち、憩いの場所がほしい人たち、この図書館に行けば本もあるし無料で使えるパソコンもある。このことで治安改善も図れたらしい。悪さする奴らもパソコンのゲームに移っているとか何とか。

 

 

ちょっとSanto Domingo駅を降りたついでに図書館へ立ち寄ってみた。僕が行くと日本人が珍しいのか警備員に10分ほど絡まれた。各階を自由に見学してよい、写真OKという許可をもらう。館内は清潔で土日にはイベントも行っているようであった。

興味がある人は訪れてみてほしい。駅から図書館の間はさほど治安に問題はなさそうであった。あくまでも僕基準である。

 

メトロ・カブレと周辺施設はメデジンの改革の一つである。昔は治安最悪と呼ばれた場所が変わりつつある。闇から光の世界へと徐々に変化しているのだ。

 

◆Linea J

 

 

メトロBの終点「San Javier」から伸びるLinea J。僕はメデジンの中で一番景色が良い路線だと考える。先ほど紹介したLinea Kは住宅街の真上を通るので、こちらもこちらで景観が良く、至近距離でメデジンの生活を垣間見ることができる。

 

 

 

この「J」はメデジンを高い位置から眺めることができるので、「展望台」としてメデジンを楽しむことができる。

 

JもK同様、ラッシュの時間になるとかなり混む。激混みだ。BからJへの乗り継ぎは「戦争」。早くメトロ・カブレに乗りたいため皆走る。そして並ぶ。なので夕方のラッシュに乗る時は気をつけてもらいたい。昼がいいかな。

 

 

 

出発するとメトロ・カブレはどんどん上っていく。ドローンで町を上から眺めているような感じ。途中2つの駅を通過しながら終点の「La Aurora」まで向かう。

 

 

往路では女性、復路では男性と一緒の車両になった。どちらもメデジンに住む20代後半の人であった。二人きりだったので、自然と会話になったので、このメトロ・カブレに関する印象について質問してみた。

 

「メトロ・カブレが開業して変化はありましたか?」。

 

すると女性も男性も同様の答えが返ってきたのだ。それが「交通の便がよくなったこと」。そして「治安が改善された」ということだ。

特に女性は今まで中心部までの通勤はバスで2時間かかっていた。それは山を越える上、道路が狭くて渋滞してしまうから。でも今は15分でいけてしまう。時間短縮となり生産性も向上したそうだ。

 

こうやって生の声を聞けるのは貴重なので、いい経験となった。特に男性は英語が少し話せたので、僕がスペイン語詰まった時にHELPをしてもらったので助かった。男性とは1時間ほど会話していたかもしれない。日本の話、コロンビアの話、プライベートのことまで。初対面の人と意外と話せてしまうものだ。

 

 

 

さて話がそれ気味になってしまったが、「La Aurora」駅に到着したら駅を出て右手に歩いていこう。病院が見えてきたらその近くが一つの景色となる。

 

 

 

この景色、実に素晴らしい。駅周辺にはアパートが建ち並んでいる。メデジン中心部からもバスが出ているので、ケーブルカーに乗れない人には需要があるだろう。またこのアウロラから郊外へのバスも出ているので、中継地点となっている。

 

 

午後に訪れたのだが、治安に問題はなさそうであった。のんびりした住宅街という雰囲気。駅下にある展望台からはケーブルカーとメデジンの街並みをセットで見れる。

 

 

これがわずか中心から100円でいけてしまうのだ。メデジンを上から眺める観光施設はないので、地元の足に頼るしかない。天気が良い日ならば素晴らしい景色を眺めることができるはずだ。個人的には午後をオススメしたい。ローカルが好きな人は行きはメトロ・カブレ、帰りはローカルバスというのも面白いかもしれない。

 

◆おわりに

 

 

メデジンのケーブルカー「メトロ・カブレ」を紹介した。わずか100円で楽しめてしまう。これは観光用ではなくあくまでも地元民向けの移動手段だ。なので邪魔にならないようにしよう。そして「郷に入っては郷に従え」で現地の習慣や性格などは受け入れよう。あなたはビジターであることを忘れてはいけない。

今回大量に写真撮影したのも、地元の人がOKと言ってくれたからだ。なのでカメラを向けるのもプライベートが全開ではないところにしている。

 

むしろ現地の人も治安改善や現状を多くの人に知ってもらいたいので、写真撮影に関してはさほど言われることはない。もちろんメトロ・カブレの車内からの話で、実際に町を歩いた場合は話は別である。

 

メデジンに訪れた際、是非乗ってみてほしい。そしてメデジンの今を知ってほしい。