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【中国】上海:"パリ"の香りを残す「フランス租界」を散策する。

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武康路から安福路まで「フランス租界」を散策しました。

2016年10月 1人民元=約15円

 
◆はじめに
 
 
上海に在る「フランス租界」。当時の清がアヘン戦争で負けたことをきっかけに、フランスが上海の土地を使い、独自の外国人居住区が作られた。それがフランス租界である。
上海に西洋風な建築物が時折見られるのは、これが大きく影響している。北京や広州にはない風景なので、ちょっと中国ぽくはないところも。
100年以上経っても、上海に残る「フランス」的な雰囲気。今回は武康路と安福路を散策した。
 
◆フランス租界を歩く
 
・武康路

 

タイトルで"パリ"の香りを残すと書いたが、実際に歩くと「中国人が多いパリ」に見えてくる。パリの13区みたいな。
パリも中国人が増えてきているので、どちらも大差がないように思えてくるけど、中国じゃ中々味わえない「西洋風」なところを紹介していこう。
 
 
地下鉄10,11号線の「交通大学」駅7番出口を出て、淮海中路を東に進んでいくと、交差点の角にそびえたつ茶色の建物が見えてくる。
これが「武康大楼」だ。今なおアパートとして使われているのだが、建てられたのは1920年代ということで、そろそろ100年近く経とうとしている。
この建物を見る限り、上海に居るとは思えない。NYの一角のような、パリの一角のような。でもそこに走る自転車や電動バイクVWのボロタクシーが目に入ることで、現実に戻してくれる。
 
 
この武康大楼の左側から伸びているのが、「武康路」だ。プラタナスの木が目印となる。
 
 
武康路の両端には洋館やカフェ、服屋などがちょこちょこある。代官山みたいにずらーっというわけではなく、たまに見せてくれるので、凄く静かな雰囲気だ。土曜の午前だったこともあってか、そこまで人も多くはなかった。
 

 
よくわからないキャラクターがいるのも実に中国らしい。完璧に「パリ」になり切れないのが中国だ。このスタンスは継続してもらいたい。
 
 
車の通りも多くはない。清掃の人もいる。美化に努めているようだけど、道端には犬の糞が落ちている。ここはパリと似ている。「綺麗な上海」「綺麗なパリ」というのは、自分からすると想像がつかない世界だ。
 
 
落ち着いて散策ができる。
 
 
工事現場。プロパガンダ的アート。こういうポスターには心おどらされる。欲しいな。
 
 
特に店とか紹介しなかったけど、武康路はこんな様子だ。のんびり散歩するにはちょうどいい。何かあると思っていくと、「あれ?」と思うかもしれない。
 
地図(武康路):

 
・安福路 

 

その武康路の終点から、東に延びているのが安福路だ。武康路より短いけど、ここにもカフェや雑貨の店などが並んでいる。
 
 
劇場やアートギャラリーもある。こういうのが上海には増えてきているようだ。東京と似ている。
 
 
演劇がやっているようで、劇場前には長蛇の列。一応割り込みとかはなく、皆静かに並んでいる。
30代の女性が多い印象。1人で来ている。日本とあんま変わらないな、と感じた。
 
 
安福路自体はちょいオシャレなんだけど、そこから伸びる小道が中国らしいというか味がある。個人的には下手にオシャレな通りより、このローカル感が溢れる小道のほうが好きだ。
 
 
カフェには中国人だけではなく、外国人観光客は現地に住んでいる欧米系の人がのんびりしていた。土曜の午前だからね。
 
 
安福路をずっと進んでいくと、地下鉄1,7号線の「常熟路」駅に出る通りに到達する。
 
地図(安福路):

 
・「嘉善老市」の土曜マーケット

 

 2010年にオープンした「嘉善老市」。南フランスをイメージとして作られたのだが、中はこじんまりとしており、個人経営の店が多い。中国人向けというよりかは、現地に住む欧米系の外国人向けであろう。
 
 
ここでは毎月第1,3土曜日に中庭でフリーマーケットが開かれている。店を出しているのは、欧米系の人や英語が話せる中国人。中国語より英語やフランス語が聞こえてくる。
 
 
パンやチーズ、ワイン、安定のケバブなどが販売されている。中国だけど「オーガニック」。雰囲気はとても良かった。
もし滞在が第1,3土曜日に重なったら、訪れてみてはどうだろうか。
 
地図(嘉善老市):
 
◆おわりに
 
上海のフランス租界を紹介した。上海らしくないところもあれば、「あ、中国だな」と思うところも。
とはいえ、プラタナスの木の下を散策するのは、とても気分が良い。外灘や南京東路、地下鉄などの混雑とは無縁の世界だ。
 
興味があれば一度散策してほしい。